JIVROSG(Japan Interventional Radiology in Oncology Study Group)の臨床研究として、「上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第 II 相臨床試験」(研究番号0808)が2012年4月から2年の登録期間が開始となりました。JIVROSGは、がん治療のIVRにおけるエヴィデンスの構築を目的に、国立がん研究センター中央病院放射線診断部の荒井保明先生をグループ代表者として組織された腫瘍IVR研究グループであり、今回が頭頸部領域では初めての臨床試験となります。
2002年の日本頭頸部癌学会の調査では、本邦では45施設で頭頸部癌に対する動注化学療法が行われていることが明らかになりましたが、個々の施設の臨床経験のみが先行し、国内において治療の標準化が行われていないという問題点が以前より指摘されていました。こうした現状を背景として、最も動注が行われており、また合意の得やすい亜部位である上顎癌を対象とした動注の第Ⅱ相臨床試験として統一のプロトコールの有効性、有害事象の評価するための多施設共同試験を立案しました。
臨床試験の症例登録にあたっての問題として、頭頸部癌の動注を行っている施設の放射線科医がJIVROSGに参加していないケースが多く、このため通常のJIVROSGの臨床研究の場合とは違い、JIVROSGのホームページで症例登録を開始しても参加施設や症例の登録が進まない事態も懸念されます。そこで、実際に頭頸部癌の動注を施行していと思われるSIRCHSの参加施設の先生方に、JIVROSGに参加していただき、「上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第Ⅱ相臨床試験」の参加施設となっていただき、症例登録にご協力いただくことが是非必要となります。
「上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第 II 相臨床試験」の参加施設となっていただくためには、次の3つのステップが必要です。
(1)UMINに登録し、IDを得ること。(既に登録されている施設は不要)
(2)JIVROSGに登録し、IDを得ること。手続きについては、JIVROSGホームページを
参照ください。(http://jivrosg.umin.jp/principle.htm)
(3)JIVROSGホームページ上で、「上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第 II 相臨床試験」に参加し、院内のIRBの承認を得ること。
ご面倒ですが、上記の手続きを行って、臨床試験に参加していただくことを切にお願いいたします。
尚、JIVROSGの登録前に、耳鼻科医、放射線治療医とプロトコールの検討していただくために、臨床試験のプロトコールを添付しておりますので、ダウンロードしてください。またプロトコールの要点と背景、最近の知見などのスライド(SIRCHSでの発表したもの)もupしましたので、参考にしてください。
上顎癌に対する放射線併用シスプラチン動注化学療法第 II 相臨床試験」(研究番号0808)事務局
久留米大学放射線科 田中法瑞